日本小児看護学会第33回学術集会

日本小児看護学会第33回学術集会

ご挨拶

 第33回学術集会は、パシフィコ横浜を拠点として開催させていただくことになりました。

 子どもたちの未来は、私たちがたどってきた景色と全く異なるでしょう。
 テクノロジーの進化、多様な価値観などは、成熟した社会に生きる喜びでもあります。例えば、テクノロジーによる利便性の向上は、我々の可能性を広げます。しかし、コロナ禍で開発に拍車がかかっているメタバースでの交流が進むとき、それは、in person(直接)の空間とどう違うのか。いや、in personの考え方そのものが、違ってくるのかもしれません。スマートフォン一つとっても、病棟でスマホに助けられている子どもたち、育児に活用している親たち。そこに、私たちはどのように対峙したらよいのでしょうか。

 一方、子どもたちの“生きにくさ”も変化しています。子どもの7人に一人が貧困、慢性状態を抱える子どもの相対的な増加、思春期のリスク行動、ヤングケアラー、虐待の報告数の増加など、我々看護職の関わりが必要な子どもたちの様相も変化しています。
傷つきやすい子どもたちを守ってきた我々看護職が、次世代の育ちを妨げず、次世代が力を発揮し自分たちの価値観に基づいて社会を創っていくことに任せるには、”覚悟”が必要です。よりよい社会を目指して創られる制度や法律などがその目的を達成するには、関わる人々の確実な実行と時間を要します。

そこで、テーマを「子どもたちの未来を見据え、今やるべきこと」とし、子どもたちが経験するであろう未来に思いを馳せ、私たちが今やるべきことは何かを考えていきたいと思います。開催はハイブリッド形式とし、不測の事態に備えつつ、魅力的なプログラムになるよう、16名の熱い企画委員一同、検討を開始したところです。

 第32回は三輪会長の現場からの発信を基調に、「今、目の前のこの子にできること」にフォーカスし展開されました。第33回はそれを引き継ぎ、未来志向のディスカッションをしていきましょう。

日本小児看護学会第33回学術集会
学術集会長 荒木 暁子
(東邦大学看護学部小児看護学研究室 教授)

日本小児看護学会